会長挨拶

亀井 美登里

第95回日本衛生学会学術総会

会長 亀井 美登里

埼玉医科大学医学部 社会医学 教授

第95回日本衛生学会学術総会の開催を担当させていただくにあたり、ご挨拶申し上げます。この度、第95回日本衛生学会学術総会を、2025年3月19日(水)から21日(金)の3日間、さいたま市のソニックシティで開催させていただきます。埼玉県で初めての開催であり、大変名誉で光栄に存じます。

日本衛生学会は、1902(明治35)年の「衛生学」、「細菌学」、「伝染病学」が連合した日本聯合医学会第1回学会分科会にさかのぼれば実に120年、1949(昭和24)年の第1回「日本衛生学会」総会からとしても70年を超える歴史と伝統のある学会です。ヒト(宿主)-環境-病因を包括的に理解し、健康維持増進を目指す社会医学の分野として、感染症、環境汚染、栄養・食品安全、住環境、少子化対策、精神的ストレス、国際保健等々、その時代における社会・環境問題に取り組んでまいりました。また、動物・細胞を用いた実験研究および人を対象とする疫学研究双方のエキスパートを擁することも大きな特徴です。

衛生学の究極の目標とは、過去・現在・未来と変わることなく、健康で豊かな未来のために、人間―環境系の中でヒトが生きることをどのように衛るべきかを解明していくことにあると思います。激動の現在、その守備範囲は広く学際的、統合的な衛生学が担うべき役割はかつてなく大きくなっていると深く感じております。歴史と伝統のある日本衛生学会は近く100周年を迎えることとなります。衛生学の歩みを刻む学術総会は衛生学の羅針盤であり、大きな使命を担っていると考えます。

テーマは「衛生学の新たな創生-健康で豊かな未来のために-」といたしました。感染症パンデミック、災害、食品安全の問題等新たな課題が次々に起こっている今日、これまでの衛生学会の長い伝統を踏まえた上で、さらに健康で豊かな未来を見据えて、衛生学の新たな創生を目指すような第95回学術総会にしたいと考えております。

結びに、有意義で実り多き学術総会になるよう、社会医学研究室一同粉骨砕身の覚悟で準備に努めております。多くの皆さまにご参加いただきますようお願い申し上げます。

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